がんであるとわかるには?

例えば自分のわんちゃんのお腹の中に検査でしこりがあると言われたとします。
こうなると次にでる疑問はそのしこりは何なの?もしかしてがんなの?などだと思います。

今回は腫瘤が見つかった後のその腫瘤の正体(がんなのか?)の診断について書いていこうと思います。

1.確定診断について
まず前提として知っておいて欲しいこととして、がんの「確定診断」には、原則として「腫瘍細胞を体から採取すること(腫瘍細胞が存在することを証明する)」が必要になります。

レントゲンや超音波検査などではもちろん、体表にあって触れるものであってもそれだけでそれが腫瘍なのか、良性か悪性なのかなどは強く疑う事は出来ても確定は出来ません。

それを確定診断する為に細胞を取って顕微鏡でみる検査、いわゆる生検が必要になるんですね。

2.生検って何?
生検とは体から病変の一部を採取して検査する事です。
方法としては大まかに言うと主に2つで
①細い針でつっついて針の中に入ってきた細胞を調べる(細胞診)
②病変をある程度の大きさで切り取る、または病変全体を切除して調べる(組織診)

となります。もちろんそれぞれにメリットデメリットがあります。

①(細胞診)
メリット→細い針でつっつくだけなのであまり痛みがなく、麻酔が必要になることがほとんど無い!
確定診断まではつかない場合でも今後の方針を決める事に役立つことも多い。

デメリット→少量の細胞の種類や形を見るだけなので確定診断出来る可能性はあまり高く無い(一つ一つの細胞のある程度の種類や悪そうな形をしてるかはわかるが、組織の中にどんな風に浸潤していってるかなどはわからない)。
腫瘍細胞か取れてこないこともある。

②(組織診)
メリット→確定診断出来る可能性が非常に高い!
組織の中のどこで腫瘍が発生し、顕微鏡レベルで周りの組織に腫瘍細胞がどのくらいまで浸潤しているかがわかる。

デメリット→組織をある程度か全て切除する為、全身麻酔が必要(体表であれば局所麻酔で取れることもある)。

メリットデメリットを簡単にまとめるとこんなところでしょうか。
ただ結局のところ「確定診断」する為には最終的に組織診をする必要があることが多いんですね。。

そんな事を言っても、じゃあ体表やお腹の中に腫瘤みたいなものが見つかったら何でも全て組織診までやって確定診断しなくてはいけないの?というと必ずしもそうではありません。

病変が経過観察(±細胞診)でいいものか、麻酔をかけて組織診(場合によっては治療も兼ねた切除)までして「確定診断」する必要性が高いものかは発生部位やそれまでの経過、その他の検査に依存しますのでこれらを総合して判断し、飼い主様と話し合いの上で決定します。

お腹の中に何かしこりがあるからすぐに手術で取らないとダメです!という事では無いんですね。

近年動物にあまり負担をかけないで行える超音波検査機器などの発達で、腹腔内のがんも発生部位や細胞診、画像診断検査などを総合することで、全身麻酔をかけて腫瘤を切除する前に、挙動や種類を予想できる事が多くなってきました。

当院も腫瘍科の診療に力を入れており、院外の患者さんのご希望があればセカンドオピニオンの提供などもおこなっておりますので、お気軽にご相談下さい!

〈腫瘍科担当〉
飯塚哲也 (日本獣医がん学会腫瘍科認定医II種)
山崎泰輔(院長)

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by soyokaze-ah | 2017-05-08 21:41 | 飯塚 | Trackback

埼玉県さいたま市中央区与野の動物病院「そよかぜ動物病院」のスタッフがお届けするブログです!


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